中国との間でサービス分野の解放を目指す「サービス貿易協定」に反対する学生たちが、3月18日夜から国会にあたる立法院を占拠して16日後の4月3日、台湾株式市場の時価総額が過去最高に達した。
密室の中で台湾を中国に売り渡そうとする馬政権に対し、台湾を守ろうと真正面から身を挺して護国を訴える学生たちへの期待感が市場を動かしたといえる。
この学生たちの行動を「暴徒」として報じる中国国民党やその関連メディア、それに追随する日本のメディアとは対照的な市場の反応である。つまり現実は逆なのだ。天安門事件のように公権力によって強制排除された場合は、市場に絶望感が漂い株価は暴落しただろう。
学生グループの総指揮者は、衝突事件の発生は断固許さないとの態度を示し、物を投げないこと、警察が設置したバリケードを引っ張らないこと、などをルールとして定め徹底している。また、発生した場合はその場で制止し、認めることはないと強調している。
一時的に警察による強行排除によって学生や国会議員が重傷を負うという事件はあったが、その後は概ね平和的な状態が維持されている。それを可能にしている政府もある意味では評価されているということだろう。血の弾圧に出ればその日に株価は暴落だ。
「サービス貿易協定」は台中双方の市場を開放するということだが、その内容に台湾側のメリットは少なく、事実上台湾市場を中国に開放することになる。
わずかな資本をもって台湾に来た中国人はビザを緩和され、数年たてば公務員にもなれるし選挙権もあり議員にもなれる。他国よりも高待遇の中国企業が中小企業を圧巻し、既存の欧米や日系企業は撤退を余儀なくされる。台湾に残るのは中国人の富裕層と貧しい台湾人労働者だ。また、人権や秩序のない支那の社会観が蔓延すれば治安の悪化は避けられない。チベットやウイグルのような状態が予測される。
それを阻止しようとする学生とそれを支援する社会環境、そして海外からも支援の声が高まっている。
台湾、株式市場の時価総額約87兆円 過去最高を更新
(台北 4日 中央社)台湾証券取引所の統計によると、3日時点の台湾株式市場の時価総額は前週最終営業日の3月28日と比べて3384億4200万元増加し、25兆3005億8700万台湾元(約86兆7000億円)と過去最高を更新したことがわかった。上げ幅は1.36%だった。
特に半導体受託生産の台湾最大手、台湾積体電路製造(TSMC)やパワーサプライ大手の台達電子などの個別銘柄の時価総額が相次いでこれまでの最高を更新したため、相場全体を押し上げた。
台湾の新興株式市場であるグレタイ証券市場では時価総額は2.7兆台湾元(約9兆円)とこちらも過去最高を更新しており、証券取引所との時価総額は合計で過去最高となる28兆台湾元(96兆円)に達した。
台湾では4日は祝日の児童節(こどもの日)で株式市場は休場となっているが、3日時点の平均株価指数は前週末終値に比べ113.90ポイント高(約1.30%)の8888.54で引けた。